とうめいな日記

むしょくとうめいな呟きです

インサイド・ヘッド

1日のうちにどのくらいの言葉を発していますか。

私はというと仕事を辞めて家にいるだけなので、ほとんど喋りません。オットーと雑談や他愛もないやりとりはありますが、あまり神経を使うことなく思いのままに「音を発している」ところも多く、ややもすると会話のラリーも対応する発言がテレコになっていたりする。返事が10分後突然とか。

それでも「ふ〜んそう」などと今しがた会話してたみたいに成り立つのだから有難い。

 

これは社会的な反応や発言を厳しく要求されていないが故に、自らの脳内会議が自由で騒がしいせいでもあります。

みんなの意見を聴いた上で発しているため時々別の案件が割り込んできたり、全員一斉にシエスタに入ったりするもんで、割り込み可決が起こったり、遠距離から時差返答が来たりするんでしょうな。

いろんな自分の意見をじっくり聴けるようになったのはいいことなんですが、最近はとうめいの「社会的側面のプロ」がストライキ中なため無法地帯です。

 

「世間一般的に正しい、合理的とされる意見を持つとうめい」の声を優先して通し、彼女が議案進行や採決を一手に引き受けてきたわけですが、それって自己の意見全ての取りまとめや、関係各所へ折り合いをつけるのが面倒くさかったんですね、本体の怠惰であります。

 

彼女(世間一般的に正しい、合理的とされる意見を持つとうめい)は別に独裁統治をしたいわけではなかったはずで。

10年の間に彼女の独裁政権下のように化したとうめい会議では、つい先月までは彼女の周囲のとうめいら(純粋無垢なとうめい、絶望悲観的なとうめい、中立なとうめい、アヴァンギャルドなとうめい・・ナドナド)は「何あいつ、大人になる過程でいきなり現れた奴のくせに、生意気」「はいはい、どうせ正しくて合理的なとうめいちゃんの意見が通るんでしょ」なんつって口をつぐんで無言の抵抗をしていたようで、正しい合理とうめい自身にとって見れば、「一般的にそうなるわよね・・でもこの会議を放棄してしまうことの方が合理的でないし、私が黙って会議進行して可決して、本体が納得する結果になればいいんだもの、我慢するわ」なんてさぞ居心地が悪く、無理を強いられた時間を過ごしたのであろうと思います。

しかしそんなアンバランスな会議はいつまでも繰り返すことははできず。

会議の空気はそりゃあ良くないもので、彼女のストレスの限界も近かったのでしょう、最後の力を振り絞って会社の退職にあたり素晴らしい「社会的な対応」をし、2月を迎えたあたりから彼女は会議にほとんど姿を見せなくなりました。

 

彼女以外のとうめいが、もともと世間一般に反するような性質ではないからでしょう、今のところ大きな問題は起きておりません。現在はさまざまな意見が発言され、最後には民主主義的に採決を採るようなかたちへ会議も変化してきており、活発ながら穏やかな会議状況です。

可決までの過程で皆、正しい合理的なとうめいにもアドバイスを求めたいのが正直なところなのですが、彼女は、今はグレて会議には出席しておらず、大脳新皮質のT字路あたりで煙草をふかして道端にごみを投げ捨てるなどしているところをつい2日前にも目撃されております。

 

まあこれもとうめい本体の所為であって、これまでの反動でしょうから、気が済むまでそっとしておいてやろうというのが先日の脳内会議で全員一致で可決されたようです。

 

賢い彼女のことですから、グレた経験をも糧にまた力をつけて戻ってくると思います。